ブルーマウンテンコーヒーって?特徴や日本人に愛されてきた理由を武珈琲ラボのバリスタが徹底解説!
こんにちは。武珈琲ラボ、バリスタの土橋武志です。私にとって、ジャマイカはコーヒーを仕事にしようと思ったきっかけをくれた国。コーヒーとレゲエを愛する私が、ブルーマウンテンコーヒーについて、熱く解説します!
ブルーマウンテンコーヒーの産地、ジャマイカとは
ブルーマウンテンコーヒーの産地はジャマイカだとご存じですか?ジャマイカは、中央アメリカのカリブ海に位置する島国です。首都キングストンは、スペインの植民地時代からイギリスの植民地時代を経て、1962年に独立しました。
ジャマイカには豊かな自然と文化があり、美しいビーチや山々、滝、渓谷、熱帯雨林が広がります。また、音楽やスポーツ、ダンスなどの文化も豊かで、レゲエやダブ、スカ、ダンスホールレゲエなどの音楽ジャンルが生まれた国としても知られています。また、陸上競技やクリケット、ボブスレーなどのスポーツでも有名で、多くのオリンピック選手を輩出しています。
経済的には、観光業や農業が主要な産業となっており、特にジャマイカブルーマウンテンコーヒーや、ラム酒、バナナ、砂糖などが有名です。
ブルーマウンテンコーヒーの歴史
ジャマイカでは、もともとスペインから継承したココア、タバコ、綿花などの栽培を行っていましたが、1727年に起きたハリケーンでそれまで栽培していたココアが壊滅的な被害を受けコーヒー栽培へ転換することになりました。
ジャマイカにコーヒーの苗木が持ち込まれたのは1728年で、本格的な輸出が始まったのは18世紀末になってからです。
1930年代にイギリス政府の復興策、1980年代には日本企業の生産支援により、積極的な生産活動が行われるようになり、現在はCIB(コーヒー産業公社)が品質管理を行っています。
ブルーマウンテンの特徴
栽培地の特徴
ジャマイカは国土の5分の4が平均高度約500mの産地になっており、国土の大部分は短く低い山が連なっています。
この島の東西に伸びた、最高峰2,256mのブルーマウンテン山脈は、昼夜の温度差が大きく、霧の発生も多いことから良質なコーヒーの産地となっています。
主に輸出用として、「ブルーマウンテン」「ハイマウンテン・スプリーム」「ジャマイカ・プライム」「ジャマイカ・セレクト」の4種類が生産され、80%以上は日本に、残りはアメリカ、ヨーロッパに輸出されています。
風味や香りの特徴
ブルーマウンテンコーヒーの特徴は、まずその味わいです。深いコクとまろやかな口当たりが特徴で、風味には甘みや酸味があります。
また、ブルーマウンテン山脈の高地で育つコーヒー豆は、冷涼で湿度が高い気候や豊かな土壌の影響を受け、ゆっくりと育ちます。そのため、密度の高い豆がとなり、豆自体にも独特のナッツ系の風味があります。
ブルーマウンテンコーヒー豆の栽培の不思議
栽培に必要な環境条件
コーヒーの栽培条件には土壌・気温・日照条件・雨量などさまざまな条件が関係してきます。それぞれの条件について、ジャマイカにあてはめて考察します。
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土壌、肥料
アラビカ種の栽培地としては弱酸性が望ましいとされています。表土の深さ、耕しやすさ、水はけの良さ、肥沃さも求められます。ジャマイカブルーマウンテンは豊かな有機物質に恵まれ、深い水切り性があり、ミネラル濃度も適切。コーヒー栽培には適した土壌となっています。
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気温
日中の平均気温がアラビカ種の場合で18〜22℃が最適と言われています。ジャマイカブルーマウンテンの平均気温は年間を通じて比較的安定しており、約20℃〜25℃の範囲内で変化します。
しかし、標高が高いため、朝晩はそれよりも気温が下がることがあります。アラビカ種コーヒーの栽培条件に適している気温よりもやや高いジャマイカですが、朝晩の冷え込みが、コーヒーの生育に良い影響を与えていると考えられます。(一般的には標高が100メートル上がるにつれて気温が0.6°下がると言われています。)
ジャマイカはバナナも有名で、バナナなど葉の大きな植物をコーヒー農園に植え、シェードツリーとして気温の緩和を計っているとも言われています。これは、実際に現地に行ってみて確かめたいと思っています。
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日照条件
日照量が少ないと生育に影響が出ますが、逆に、日照量が多すぎる場合も木へのダメージ、収穫量の低下などの問題が発生します。
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雨量
アラビカ種の場合、年間降水量1400〜2000mm程度必要になります。ジャマイカのブルーマウンテンは年間を通じて比較的高い降水量があります。ブルーマウンテンの年間雨量は、おおよそ2000〜2500mm程度であり、特に4月から10月にかけての雨季には、降水量が集中します。
一方、11月から3月にかけては、比較的乾燥した季節となります。乾季と雨季があるのはコーヒー栽培に適していますが、ブルーマウンテンは少し雨量が多いデータになっており、雨が多いと多湿による品質へのダメージが出てしまうことも懸念されます。
上記のように、アラビカコーヒーの栽培条件からは若干外れており、データだけを見ると、ジャマイカのブルーマウンテンではアラビカ種ではなく、カネフォラ種の方が適しているのでは?と思ってしまいます。
しかし、昔から最高品質のコーヒーとして知られているジャマイカのブルーマウンテン。データだけでは分からない魅力があると感じています。いつか現地の農園を見学し、この疑問を農園の人に聞いてみたいと考えています。
ブルーマウンテンコーヒーが高級である理由
ブルーマウンテンコーヒーはなぜ高級なのか?
昔から高級豆として知られている、ブルーマウンテン。なぜ、高級なのかを考察します。
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生産量が限られているため
ブルーマウンテンのコーヒー豆は、ジャマイカのブルーマウンテン地方でのみ栽培されており、その栽培地域も限定されています。また、生産量が限られているため、需要に対して供給が追いつかず、高価な価格設定が行われていると考えられます。
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高品質な豆であるため
ブルーマウンテンのコーヒー豆は、手摘みによる収穫と、厳密な品質管理によって、高品質な豆が生産されます。また、ブルーマウンテンの気候条件や土壌の特性も、コーヒー豆の品質に大きく寄与しています。このような理由から、ブルーマウンテンコーヒーは高品質な豆であるため、その価格も高くなっていると考えられます。
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ブランドイメージが高いため
ブルーマウンテンコーヒーは、世界的に有名な高級コーヒーのブランドであり、そのブランドイメージが高いことからも、高価格帯で取引されています。
コラム:ブルーマウンテンとイギリス王妃の関係
ブルーマウンテンコーヒーには、イギリス王室との関係があります。イギリス王室は、ブルーマウンテンコーヒーを愛飲しており、特にクイーン・エリザベス2世は、ブルーマウンテンコーヒーのファンとして知られています。
1953年、クイーン・エリザベス2世が戴冠式を迎えた際には、ブルーマウンテンコーヒーが式典のために用意され、その後も王室御用達のコーヒーとして、広く認知されるようになりました。現在でも、クイーン・エリザベス2世がコーヒーをお召し上がりになる際には、ブルーマウンテンコーヒーが提供されることがあります。
このような王室との関係があることから、ブルーマウンテンコーヒーは、高級コーヒーの代名詞として広く知られ、需要も高まっていると考えられます。
イギリス王妃御用達の話は、本当のところは謎に包まれています。長年日本で愛されて飲まれている間に、いろいろな話が加わっているのも、ブルーマウンテン文化の一つとして面白く感じています。
武珈琲ラボのブルーマウンテン珈琲のご紹介
ここが美味しい!武珈琲ラボのブルーマウンテンの特徴
なんといってもコク!!
「コク」は日本の食嗜好を理解するための最も重要なキーワードの1つです。農林水産省の「日本人の味覚と嗜好」によると、一般的に「コクがある」というのは、多くの成分が複雑に絡み合って、味わいの厚みをもたらしている場合を指します。そのため酸味など、単独の味が強く感じられてしまうとコクでは無くなってしまうと、私たちは考えています。
つまり、酸味など、単独の味が強く感じられてしまうとコクでは無くなってしまいます。
武珈琲ラボでは、酸味と苦みを控えめにし、甘味とコクが楽しめる焙煎、抽出を日々研究しているため、より日本人の味覚にあったブルーマウンテンコーヒーとなっています。
ブルーマウンテンコーヒーギフト
抽出器具のいらないドリップバッグは、手軽にコーヒーを楽しめると人気の商品です。武珈琲ラボでは、このドリップバッグを簡単2ステップで楽しめるよう、豆の挽き方などを研究、レシピを考案しました。
もらって嬉しい、飲んで美味しい珈琲ギフトです。
ブルーマウンテンコーヒー豆
お使いの器具に合わせて、豆のまま・粗挽き・中挽き・細挽き・極細挽きとお好みの状態をお選びいただけます。ご注文いただいてから、その都度焙煎し、お届けします。
お客様の声/レビューをご紹介
お客様からいただいた、武珈琲ラボブルーマウンテンのレビューをいくつかご紹介します! ブルーマウンテンって実際どんなの?!とお思いの方、ご参考ください。
最後に感じる甘さがなんとも言えない
ブルーマウンテンのコーヒーは昔からよく知ってますが、ここのブルーマウンテンはやっぱり美味しい!バランスがいいというか、最後に感じる甘みがなんとも言えない美味しさを感じます。美味しさを堪能しながら、ゆっくり楽しんでいます
リラックスできるコーヒーでした
酸味が強くないのが良い◎
飲むと、ホッと肩の力が抜けてリラックスできる味でした。
ブルーマウンテンはもっと苦味が強い印象がありましたが、こちらはそんなことはなく、コクもしっかり感じられて美味しくいただくことができました。
飲みやすい!!
たくさん珈琲を飲んできましたが、上位確定です。
香りから味までタイプです。
酸味がなくコクがあり大変おいしくいただきました!
袋を開けた時の香りがたまりません。
まず、珈琲のいい香りがして落ち着きます。
酸味が少し苦手だったのですが、酸味感がなくとても飲みやすい珈琲でした。
リピート確定です!
今までの概念を覆されました
私は、酸味が強い珈琲が苦手で、「ブルーマウンテン」と言えば、「酸味」という概念があったので、普段はすすんで飲むことがありませんでした。
封を開けた瞬間に広がる良い香り。
一口飲んでみると…
あれ?今までに飲んだことがあるのと違う。
香り高さとコクの深さ。そして、苦手な酸味がほぼない!
大変美味しく頂きました。
ブルーマウンテンを堪能味!ブルマンブレンド3種類をご紹介
クラウンブレンド
【使用豆:ブルーマウンテン/コロンビア/マンデリン】
ブルーマウンテンのコクを活かした王道の味
疲れを癒す休日。そんな朝にぴったりの、ワンランク上の大人のブレンドコーヒーを。
ほどよい苦みがあり、昔からコーヒーを飲んできた人にはまさにコーヒーの王道とも言えるテイスト。ブルーマウンテンのもつコクを活かし切った格別なブレンド豆です。
トロピカルブレンド
【使用豆:ブルーマウンテン/グァテマラ】
ほのかな甘さが心地良い、開放感あふれるテイスト
バランスの良いブルーマウンテンに、甘い香りのグァテマラコーヒー豆を加えることで、甘さと香ばしさを感じるテイストに。
リゾート地に遊びにきたように、仕事を忘れてリラックスしたい。癒されたい時に飲むコーヒーをイメージしてブレンドしました。
ヤーマンブレンド
【使用豆:ブルーマウンテン/エチオピア】
2段階に味が変化する魅力的な味わい
口に入れた瞬間と、飲み込んだ後の味わいが変化する魅力的な味。ブルーマウンテンのほどよいコクと苦味に、エチオピアの酸味と香りが絶妙!ぜひブラックコーヒーでお楽しみください。
ブルーマウンテンコーヒーのハンドドリップオススメ抽出レシピ
武珈琲ラボのブルーマウンテンコーヒーのマイルドさを楽しむ為のオススメレシピ
【使用した器具/豆】
- ブルーマウンテン12gの粉、中挽きを使用
- ハリオV60 01ドリッパー
- ハリオV60ケトル
- ハリオスケール
- 理系雑貨 ビーカー
- 温度計
- お湯の温度は80°
①蒸らしに約13~15gお湯を注ぎ 1分待つ
※この時、粉の周り全体にお湯がかかってなくても気にしなくて大丈夫です。全体にかけようとして、湯量が多くならないように気を付けてください。
②1分経ったら、80gになるまでお湯を注ぐ
※お湯は、できるだけ中心だけに注いでください。コーヒーの粉の層が一番厚い部分に注ぐことで、コーヒーの味がしっかりと抽出されます。
③80gまで注いだら、ドリッパーのお湯が落ちきるギリギリまで待つ
④160gになるまでお湯を注ぎ、140ccまで抽出したら上のドリッパーを外して完成
レシピ考察
このレシピは、武珈琲ラボのブルーマウンテンを簡単においしく飲む為の1つです。
他にも色々なアプローチがありますが、細かな抽出相談などはLINEでお気軽にお問合せ下さい。
最後に
最近、コンビニコーヒーの登場により、より身近により簡単にコーヒーを飲める環境になりました。
そして、スペシャルティーコーヒーを取り扱うお店も増え、コーヒーの酸味や甘味、風味など個性的なコーヒーが気軽な値段で楽しめるようになってきています。
ブルーマウンテンコーヒーは日本では昔から愛されているコーヒーですが、スペシャルティーコーヒーが身近になったことにより、個性的なコーヒーと比べるとブルーマウンテンコーヒーはマイルドなだけで特徴がないという意見もあります。
コーヒーは嗜好品なので色んな意見があって良いと思いますが、
武珈琲ラボは、ブルーマウンテンの魅力を最大限に楽しんで頂けるように日々努力していきます。