エチオピアコーヒーって?特徴や種類、美味しい飲み方をコーヒーマイスターが徹底解説!
いかに楽して美味しいコーヒーが飲めるか?と日々考え、焙煎&抽出レシピを考えているしている、コーヒーマイスター土橋です。
日々の生活の中で、ホッとしたい時や、ここぞ!とやる気を出したい時など、生活に寄り添ってくれているコーヒー。みなさんはこのコーヒーの発祥の国をご存知ですか?今回は、歴史あるこの国のコーヒーについて詳しくご紹介します。
<目次>
コーヒーはエチオピアが発祥!独特のセレモニー文化も
コーヒーには大きく分けて2種類の品種があります。その中でも、エチオピアはアラビカ種コーヒーの原産国です。
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アラビカ種
エチオピアはアラビカ種の原産国であり、日本でも有名な「モカ」コーヒーの生産地でもあります。名前の由来は、その昔、アラビア商人がコーヒーを広めたことにより「アラビカ」種と呼ばれるようになったとも言われています。
また、コーヒーの語源はエチオピア西部の「カッファ」地方に由来されていると言われています。
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カネフォラ種(ロブスタ種)
ロブスタ種の原産国は、中央アフリカとされています。この種は、19世紀にコンゴ民主共和国(当時はザイール)で発見され、その後アフリカの他の地域やアジア、アメリカなどに広がっていきました。現在では、ベトナムやブラジルなどの国々が、ロブスタ種の主要な生産地となっています。
コーヒーのロブスタ種は、アラビカ種に次いで2番目に多く生産されているコーヒー豆です。
ロブスタ種のコーヒー豆は、アラビカ種に比べてカフェインの含有量が高く、また苦味や渋みが強いという特徴があります。一方で、栽培が容易で、病気に強く、1本の木からの収穫量が多いという利点もがあります。この利点から、缶コーヒーやお手頃価格のコーヒー豆などの原料として、大手の企業やコーヒーショップで使用されています。
エチオピアならではのコーヒーセレモニー
同じアフリカのコーヒー生産国でも、ケニア、タンザニアには紅茶を飲む文化があるのですが、エチオピアは日常的にコーヒーが飲まれています。そんなエチオピアでは「カリオモン」と呼ばれる伝統的なコーヒーを飲む習慣があります。
「カリオモン」では、客人の前で豆を煎り、粉にしたコーヒーを専用の容器に水と一緒に入れて沸かし、その上澄み客人に振舞います。この習慣は女性が身につけるべき“もてなしの作法”ともいわれています。「カリオモン」を用いた、伝統的にお客様をおもてなしするコーヒーセレモニー「ブンナセレモニー」は、エチオピアに行った際に、ぜひ一度体験してみたいものです。
コーヒーはエチオピアの財産
世界のコーヒーの中でも、エチオピア産のコーヒー豆は際立って特徴的な香りや味があります。その品質の高さから、2000年以降世界中でエチオピア産のコーヒー豆の人気が上昇しました。今現在、世界のスペシャルティコーヒーマーケットの中でも、重要なコーヒー豆の産地の1つとなっています。コーヒー産業はエチオピアの財産と言っても過言ではないほど、重要な資源となっています。
エチオピア産コーヒーの特徴
エチオピア産コーヒーの味の特徴は「酸味」
一般的にはコーヒーと聞くと、まず苦味を思い浮かべる人が多いと思います。コーヒーは、コーヒーの実(果実)の中から生豆を取り出し、焙煎したものを抽出して飲みます。品質の良いコーヒーには、果実ならではの良質な酸味があります。苦味というのは、焙煎によって生じる味であり、深煎り(よりしっかりローストすること)になればなるほど苦味のあるコーヒーになります。
「コーヒーの貴婦人」と例えられほど、良質な酸味をもつエチオピアのコーヒー。浅煎り(あまりローストせず)にして提供しているお店が多いのは、苦味を抑えてこの酸味を堪能できるようにしているためです。レモンティーのような柑橘系の、すっきりとした香り豊かな酸味が楽しむことができます。
エチオピアコーヒーは華やかな香りも特徴
エチオピアコーヒーは、柑橘系の甘酸っぱい香りだけでなく、スパイシーな香り、またベリーのような甘い香りなども楽しめます。これらの香りは、豆の精製方法(果実から生豆を取り出す方法)や、焙煎度によって変わってきます。そのため、同じエチオピアのコーヒーでもお店によって味や香りが異なるので、飲み比べるのも楽しみの一つです。
コーヒーの精製方法とは?
精製方法とは、コーヒーの果実から中の生豆を取り出す工程を指します。コーヒーの実から生豆と取り出す工程は、大きく3種類(ウォッシュド・ナチュラル・パルプドナチュラル)あります。先ほど述べたように、同じコーヒーの実でも、生豆を取り出す工程によって味が全く違うものになります。エチオピア産コーヒー豆の代表的な精製方法は、その中でも次の2つが挙げられます。
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水洗処理方法(ウォッシュド)
コーヒーの果実の外皮および内側のパルプ質をはぎ取り、粘液質の付着したパーチメントコーヒーを発酵槽と呼ばれるタンクに入れて数時間かけて醗酵させます。その後。水流によって粘液質が除去されたパーチメントコーヒーを乾燥させ、パーチメントを脱殻し生豆を取り出します。
エチオピアウォッシュドコーヒーの代表格とも言えるのが、イルガチェフェで、南部諸民族州ゲデオ村が産地になります。その他のウォッシュドコーヒーの産地としてはシダモ、リムなどがあります。
エチオピアのウォッシュドコーヒーは柑橘系の酸味とピーチやアプリコットを思わせる甘い香り、またスパイシーな香りが特徴的です。コーヒーというよりも紅茶に似通った味が思い浮かびます。
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非水洗処理方法(ナチュラル)
ナチュラルは、摘み取ったコーヒーの果実をそのまま乾燥させ、その後脱殻し、生豆を取り出す工程になります。
エチオピアのナチュラルコーヒーは、ストロベリーといったベリー系の甘酸っぱい酸味と香りが代表的です。この甘い香りがチョコレートを連想させ、モカのコーヒーはチョコの味のようなイメージができたのではとも言われている
武珈琲ラボおススメ!4種+2のエチオピアコーヒー
1.エチオピア/ゲイシャホワイトリリーG1ウォッシュド-透明感のある上質な香りと酸味
世界で最も高級なコーヒー豆の品種の一つとされるゲイシャ。このベンチマジ地区ケビルゲイシャ農園のゲイシャは、冷めるほどに口の中で感じる味の種類が変化します。ウォッシュド精製はナチュラル精製とくらべ、クリーンな酸味がより強く感じ、お客様からも「初めてのゲイシャを淹れるのでドキドキしましたが、飲んでみると驚きの爽やかさ!本当にこれがコーヒー?と感じるほどの驚きでした。一口目は酸味がしっかりしていましたが、徐々に甘さが強くなっていきまろやかな味わいに…飲み終わるまで至福の時を過ごしました。」と嬉しい声も頂いております。
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2.【浅煎り】エチオピア/イルガチェフェG1コーヒー豆-レモンティのような上品な酸
私がコーヒーの勉強を始めた時、もともと「コーヒーは苦いもの!!」と思っていました。そんな時に、このエチオピアのコーヒーに出逢い、なんだこの良質な酸味は!!と衝撃を受けたという、思い出の豆です。このイルガチェフェを飲んでから、酸味のあるコーヒーが好きになりました。レモンのような酸味だけでなく、口にひろがる甘さも是非感じてほしいコーヒーです。
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3.【中深煎り】エチオピア/イルガチェフェG1コーヒー豆-酸味の少ないモカの甘い香り-
エチオピアといえば、一般的には明るく華やかな酸味を楽しむコーヒーして下れています。しかし、少し深めに焙煎することで、浅煎りとはまた違った、深みのある甘い香りと、ほんの少しのスパイシーさ感じます。酸味の苦手な方もぜひ、エチオピアの美味しさを楽しんでほしいと思い、焙煎しました。香りよく、誰もがのみやすいエチオピアの新たな魅力がつまった中深煎りです。
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4.【中深煎り】エチオピア/イルガチェフェG1ナチュラル-ベリー系の香りと甘さ‐
コーヒーの発祥の地とされるエチオピア。この国の中でも、世界中を魅了している産地”イルガチェフェ”。確かな品質を誇るこのG1ナチュラルは、ナチュラル精製特有の熟したベリーの甘い香りが特徴です。豆からもしっかりと香るこの香りに魅了される方も多い人気の豆です。
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5.【水出し】エチオピア/イルガチェフェコーヒー豆-紅茶のような酸味-
チオピアイルガチェフェ、柑橘系の酸味を水出し抽出することにより、よりクリーンで優しい酸味のあるアイスコーヒーが楽しめます。水出しパックになっているので、特別な器具がなくても簡単に作ることができます。また、水出しコーヒーは電子レンジで温めてホットにしても、味の劣化がすくなく美味しく飲める、なんとも嬉しい商品です。
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6.【水出し】フラワーブリューコーヒー/薔薇の香りの水出し珈琲
コーヒーに薔薇?!美味しいの?
そう思われる方こそ、一度飲んで欲しい日本でここにしかない、フラワーブリューコーヒー。2年前に販売したときは、薔薇好きの方はもちろん、そうじゃない方にも「こんなに合うんだ!」「すごくさわやか」「暑い夏にいいね!」と大好評でした。エチオピアのレモンティーのような爽やかさに、ほんのり甘い薔薇の香りが、一度飲んだら忘れられない美味しさです。
エチオピアコーヒーの美味しい飲み方
酸味を楽しむ浅煎りのエチオピアコーヒー豆。お店で飲んだ時は美味しかったのに、家でいれてみたら、酸っぱいだけ?!ということありませんか。実は、浅煎りのコーヒー豆は深煎りに比べて、抽出が難しいとされてます。上手く抽出できているのか不安だ・・・という方の為に、武珈琲ラボのエチオピアコーヒーの抽出方法をご紹介します。とにかく失敗しない初心者の方向けと、より甘みを出すことにこだわりたい上級者向けの2種類の抽出レシピをご紹介します。
失敗しない!酸味以外の味も引き出す、初心者向け抽出レシピ
用意するもの
- エチオピアコーヒー粉12g 中挽き(1杯分)
- お湯を注ぐケトル
(細く注げるものであればOK!今回は、ハリオのケトルを使用。) - ドリッパー
(100均のものでOK。今回はハリオV60ドリッパー01を使用。) - サーバー
(マグカップなどお湯を受けるための容器。今回はビーカー使用。) - 重さをはかる電子スケール
(粉の重さ、お湯の重さを計ります。今回はハリオV60ドリップスケール)
抽出レシピ
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準備:お湯を沸かして、フィルターに粉をセットする。
今回は沸騰したお湯を使用します。まずは温度計などが無くても気軽にコーヒーの抽出を楽しんでほしいという思いと、ハンドドリップにおいて、お湯の温度だけが味が変わる要因ではないということからです。
注ぐ時のお湯の量やお湯の太さ、抽出時間なども味が変わる要因となります。注ぐスピードが速かったり、太かったりするとコーヒーの味が出にくくなります。そんな時、実はお湯の温度を高くすることで、若干味が出やすくなるんです。
お湯の温度によっても味は変わりますが、それよりも蒸らしの時の湯量や注ぐお湯の細さなどをしっかりと安定させてから、お湯の温度を変更することをオススメしてます。毎日淹れるコーヒーの味が安定しない時、お湯の温度以外の何が原因か分かりやすくするためです。淹れ方が安定してきたら、湯温は85°がオススメしています!
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蒸らし:お湯20g注ぎ、1分蒸らす。
コーヒー粉12gに対し、お湯を約20g注いで、1分待ちます。この時スケールの目盛は、粉12g+お湯20gで約32gを目指します。もし、粉全体にお湯がかかっていなくても、気にしなくて大丈夫!
コーヒーはまず酸味から抽出されるので、全体にかけようとして湯量が多くなると、酸味が強くなってしまいます。蒸らしの時のお湯を注ぐコツは、コーヒーの粉の中心をメインに注ぐことです。全体にかかっていなくても、蒸らし1分の間に、徐々に広がっていくので安心してください。
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抽出1:お湯を約70g注ぎ、再び1分待つ。
蒸らしが1分終わったら、お湯を約70g注ぎ、再度1分置きます。この時スケールの目盛は、32g+お湯70gで約100gを目指します。
コツは、なるべくコーヒー粉の中心のみにお湯を注ぐようにします。なぜかというと、フィルターの中心は最もコーヒーの粉の厚みがあります。この層をしっかりとお湯が通り抜けることで、蒸らしでほぐれたコーヒーから美味しい味が抽出されるからです。
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抽出2:お湯を約70g注ぎ、完成!
1分置いたら、同じく約70gのお湯を注ぎます。抽出量が150ccになった時点で、上に乗ってるドリッパーを外して完成!もしお湯が残っていても、そのまま外してください。もったいないな・・と思うかもしれませんが、コーヒーの美味しさはすでに抽出されているので大丈夫です!
この抽出のポイントは、しっかりと待つこと。蒸らしと抽出1で各1分ずつ待ちます。よくお湯が落ちきったら雑味がでると言われていますが、最初の方は雑味は出ていないので、怖がらずに待って下さい。
この抽出レシピだと、少々濃く感じる方もいらっしゃるかもしれません。もし、濃いと感じた場合は、後からコーヒーの液体に直接お湯を注いで、濃度を調節してみてください。ただ、薄い味が好きだからとコーヒーの粉を少なくするのはNGです。粉の量に対して、湯量が多すぎ、過抽出となってしまいます。その場合、雑味(冷めた時に喉がイガイガする味)を感じるようになってしまいます。
さらに甘みを出す!こだわりの方向け抽出レシピ
用意するもの(初心者向け準備物+温度計)
- エチオピアコーヒー粉12g 中挽き(1杯分)
- お湯を注ぐケトル
(細く注げるものであればOK!今回は、ハリオのケトルを使用。) - ドリッパー
(100均のものでOK。今回はハリオV60ドリッパー01を使用。) - サーバー
(マグカップなどお湯を受けるための容器。今回はビーカー使用。) - 重さをはかる電子スケール
(粉の重さ、お湯の重さを計ります。今回はハリオV60ドリップスケール) - 温度計
抽出レシピ
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準備:お湯(85°)を沸かして、フィルターに粉をセットする。
温度計を使って、85°のお湯を準備します。
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蒸らし:粉と同じ12g注ぎ、2分蒸らす
初心者向けのレシピにも書いたように、蒸らしの湯量が多過ぎると、コーヒーの表面にある酸味が多く抽出されてしまいます。理想は粉と同僚の12gですが、少量が難しい場合は、20g以内に抑えてください。
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抽出1:お湯25g注いで、40秒待つ。これを3回繰り返す。
2分経ったら、お湯25g注いで40秒待つを3回繰り返します。
1回目 お湯を約25g注ぎ40秒待つ
2回目 さらに25g注ぎまた40秒待つ
3回目 さらに25g注ぎまた40秒待つ -
抽出2:80gのお湯を、粉の周りをぐるっと注ぎドリッパーを外す。
分コーヒーが冷めるのが気になる人は、最後の80gのお湯を注ぐのではなくドリッパーを外して、濃い抽出液に直接沸騰したお湯を注いで濃度調整してもOKです。
詳しいことは次回更新します
武珈琲ラボのエチオピアコーヒーはここが違う!!
エチオピアコーヒーは浅煎りの場合は上質な酸味を楽しめますが、浅煎りのコーヒーは深煎りのコーヒーに比べ、味が出にくく、抽出が難しいです。これは国に関係なく、豆の中の密度が要因になってきます。深煎りはよく焼くことで水分が飛び、極端にいうと豆の内部がスカスカになっています。対して浅煎りは、密度が高いため、深煎りよりもお湯が浸透しにくく、味が出にくいのです。
そこで武珈琲ラボでは、エチオピアの酸味も楽しみつつ、コーヒー初心者の人でも味が出しやすいように焙煎を工夫しています。そのためお客様からは、「ここのエチオピアはただ酸っぱいだけじゃなくてコーヒーの味がするから美味しい」と嬉しい言葉を頂いてます。
ご興味があれば、ぜひ一度お試しください。
記事執筆
土橋 武志 (Tsuchihashi Takeshi)
- コーヒーマイスター 取得
- コーヒーインストラクター2級 取得
焙煎士 バリスタ コーヒープロデューサー 詳しくはこちら